バルサの背番号2は、右サイドを駆け上がる職人の番号だ。1〜11の伝統的な並びで2は「右サイドバック」。守っては相手ウイングを止め、攻めては誰よりも長い距離を走る——地味だが、いなければ絶対に勝てないポジションの番号である。
この番号を語るうえで外せないのがダニ・アウベス。栄光と長い模索、そして現在進行形の物語。バルサの2番には、他のどの番号とも違う独特のドラマがある。
そもそもバルサにとって「2番」とは?
背番号2は、伝統的な並びで右サイドバックを指す番号だ。最終ラインの右端に立ち、守備では相手の左ウイングと1対1で対峙し、攻撃ではタッチライン際を上下動してクロスを送り込む。走力と対人守備、そしてクロスの精度が問われる、走る職人の番号である。
バルサの2番も、歴代の顔ぶれはほぼ全員が右サイドバック。ベレッチ、ダニ・アウベス、セメド、カンセロ、デスト——ポジションの一貫性という点では、シリーズ屈指の分かりやすさだ。バルサは右サイドバックに攻撃参加を強く求めるため、この番号は「もう一人のウイング」のような役割も担ってきた。
※ラ・リーガで固定背番号制が導入されたのは1995-96シーズンから。それ以前は試合ごとに番号が割り振られる方式でした(歴代7番の記事で解説)。
バルサ歴代2番 一覧
近年2番を背負ってきた顔ぶれがこちら。右サイドバックがずらりと並ぶ。
| 時期 | 選手名 | 国籍 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 2004〜2007 | ジュリアーノ・ベレッチ | ブラジル | 公式戦135試合。2006年CL決勝で決勝ゴール |
| 2008-09 | マルティン・カセレス | ウルグアイ | 加入1年で退団した若手ディフェンダー |
| 2009-10〜2011-12 | ダニ・アウベス | ブラジル | 史上最高の右サイドバック。2番時代に三冠を経験 |
| 2012-13〜2013-14 | マルティン・モントーヤ | スペイン | ラ・マシア育ち。定着できず2シーズンで移籍 |
| 2014-15〜2015-16 | ドウグラス | ブラジル | 2シーズンで公式戦8試合と苦戦 |
| 2017-18〜2019-20 | ネルソン・セメド | ポルトガル | アウベスの後継として3シーズン右を担当 |
| 2020-21〜2021-22 | セルジーニョ・デスト | アメリカ | 期待された若手だったが定着せず |
| 2022-23 | エクトル・ベジェリン | スペイン | デストの後を継ぐも古巣復帰は短期間で終了 |
| 2023-24 | ジョアン・カンセロ | ポルトガル | マンチェスター・シティからレンタル。公式戦42試合 |
| 2024-25 | パウ・クバルシ | スペイン | 唯一の非サイドバック。翌季に5番へ変更 |
| 2025-26前半 | (空き番号) | — | 18年ぶりに開幕時点で持ち主不在に |
| 2026年1月〜6月 | ジョアン・カンセロ | ポルトガル | アル・ヒラルからレンタルで復帰し2番に |
※背番号・記録はクラブ公式や各種データベースで確認(2026年7月時点)。ダニ・アウベスは在籍8年間ずっと2番だったわけではなく、加入時は20番、後年は22番・6番、2021年の復帰時は8番を着けています。
バルカ2番って「右の職人」の番号なんだけど、アウベス以降どうも落ち着かないんだよね。ついに空き番号になったと思ったら、カンセロが戻ってきて着けた。番号にも巡り合わせってあるのかも。
ジュリアーノ・ベレッチ(2004〜2007):伝説の一撃を放った2番
ブラジル/右サイドバック
2006年CL決勝の劇的な決勝ゴール
2番の物語で最初に輝くのがブラジルのジュリアーノ・ベレッチだ。2004年にビジャレアルから加入し、攻撃参加を得意とする右サイドバックとしてチームを支えた。
彼の名を不滅にしたのが2006年チャンピオンズリーグ決勝(対アーセナル)。ベンチスタートから途中出場すると、1-1の終盤に決勝ゴールを突き刺し、バルサを14年ぶりの欧州王者へ導いた。これが彼のバルサでの唯一のゴールという劇的さも含めて、語り継がれる一撃である。
在籍3シーズンで公式戦135試合。リーガ2回、チャンピオンズリーグ1回を獲得し、2007年にチェルシーへ移籍した。
ダニ・アウベス(2009〜2012):史上最高の右サイドバック
ブラジル代表/右サイドバック
バルサ史上最多タイトルを誇るレジェンド
バルサ2番の頂点に立つのがダニ・アウベスだ。2008年にセビージャから加入し、ペップ・グアルディオラ体制の右サイドを8年間支え続けた。メッシとの右サイドのコンビネーションは、当時のサッカー界で最も破壊力のある関係のひとつだった。
無尽蔵のスタミナで上下動を繰り返し、サイドバックでありながらアシストを量産。守備者でありながら攻撃の主役級という、現代型サイドバックの完成形と評される。バルサでの8年間で23個のタイトルを獲得し、史上最高の右サイドバックと呼ばれる存在になった。
ここで背番号の話をしておきたい。アウベスは8年間ずっと2番だったわけではない。加入初年度(2008-09)は20番、2番を背負ったのは2009-10から2011-12の3シーズンで、その後は22番、最後は6番へと変えている。2011年の三冠(トレブル)に近い黄金期を2番で戦った——2番にとって最も幸福な時代だった。
なお、2021年に電撃復帰した際の背番号は8番で、2番ではない。歴代2番を語るときに混同されやすいポイントだ。



アウベスの右サイドは本当にすごかった。メッシと2人だけで右サイド全部を壊してた感じ。あの頃の2番は、たぶんバルサで一番元気な背中だったと思う。
モントーヤ〜ベジェリン(2012〜2024):定着しなかった12年
ポルトガル代表/右サイドバック
アウベス後で最も長く2番を背負った選手
アウベスが2番を手放して以降、この番号は持ち主が次々に変わる時代に入る。ラ・マシア育ちのマルティン・モントーヤは2シーズンで移籍。続くドウグラスに至っては2シーズンで公式戦8試合と、ほとんど出番がないまま終わった。
この時期で最も長く2番を背負ったのがネルソン・セメド(2017〜2020)だ。アウベスの正統な後継者として期待され3シーズンを戦ったが、圧倒的な存在にはなりきれずウォルヴァーハンプトンへ。その後もセルジーニョ・デスト、エクトル・ベジェリン(2022-23)、ジョアン・カンセロ(2023-24/マンチェスター・シティからレンタル、公式戦42試合)と、ほぼ毎年のように持ち主が入れ替わった。
2024-25には、唯一の非サイドバックとしてパウ・クバルシが2番を着用。ただし彼も翌2025-26シーズンにはイニゴ・マルティネスから受け継ぐ形で5番へ変更している。アウベス以降、この番号に長く君臨する選手は現れなかった。
空席、そしてカンセロの帰還(2025-26):動き出した2番
ポルトガル代表/サイドバック
2度の在籍で2番を背負った攻撃的サイドバック
2025-26シーズン、ついに2番は開幕時点で誰も背負わない「空き番号」になった。クバルシが5番へ移り、右サイドバックを担うジュール・クンデは23番、エリック・ガルシアは24番と、誰もこの番号を選ばなかったのだ。約18年ぶりの空席である。
ところが物語はここで動く。2026年1月、ジョアン・カンセロがアル・ヒラルからレンタルで復帰し、空いていた2番を手に取った。カンセロにとっては2023-24シーズン(マンチェスター・シティからのレンタル)に続く2度目の2番。空席のまま終わるかと思われたシーズン後半に、由緒ある番号は再び主を得た。
ただし、この物語にはまだ続きがある。カンセロのレンタルは2026年6月末で満了。アル・ヒラル側はレンタル延長を認めず完全移籍なら1,000万ユーロという条件を提示しており、2026年7月時点で交渉が続いている状況だ。カンセロが残れば2番はそのまま、まとまらなければ再び空席に戻る。バルサの2番は、いままさに宙に浮いている。



空き番号になったと思ったらカンセロが帰ってきて2番を着けた、って展開が面白すぎる。このまま残ってくれたら嬉しいけど、どうなるかな。2番の行方はこの夏の注目ポイントだ。
📊 分析:バルサの2番はどんな番号か
シリーズ屈指の「ポジション一貫性」
2番の最大の特徴は、ポジションのブレがほとんどないことだ。ベレッチ、アウベス、モントーヤ、ドウグラス、セメド、デスト、カンセロ、ベジェリン——ほぼ全員が右サイドバックである。11番(ドリブラー)や8番(中盤の創造者)にも一貫性はあるが、時に例外が混ざる。2番ほどポジションが揺れない番号は珍しい。例外は2024-25のクバルシ(センターバック)だけで、それも1シーズンで終わった。
「アウベス以降」が長すぎる番号
一方で、この番号の通信簿は少し厳しい。アウベスが手放した2012年以降、2番に定着した選手は事実上いない。ほとんどが1〜3シーズンで交代し、ついには開幕時点で空き番号になるシーズンまで生まれた。3番のピケが14年間、8番のイニエスタが11年間君臨したのと比べると、その差は歴然だ。
理由のひとつは、バルサが長く右サイドバックの人選に悩んできたこと。アウベスという規格外の存在の後を埋めるのは、どんな選手にとっても酷だった。番号の栄光が、逆にプレッシャーになる——2番はそんな側面も教えてくれる。
❓ よくある質問
Q. 現在のバルサの2番は誰?
A. 直近で背負っていたのはジョアン・カンセロ。2025-26シーズンは開幕時点で空き番号だったが、2026年1月にアル・ヒラルからレンタル復帰して2番を着けた。ただしレンタルは2026年6月末で満了し、完全移籍の交渉が続いている(2026年7月時点)ため、来季の2番は未確定だ。
Q. なぜ2番は右サイドバックの番号なの?
A. 1〜11の伝統的な並びで、2番が最終ラインの右端=右サイドバックを指すからだ。バルサでも歴代のほぼ全員が右サイドバックで、シリーズのなかでも特にポジションが一貫している番号である。
Q. 歴代で最も偉大な2番は?
A. 文句なしでダニ・アウベス。バルサでの8年間で23個のタイトルを獲得し、史上最高の右サイドバックと称される。ただし2番を背負ったのは2009-10から2011-12の3シーズンで、他の時期は20番・22番・6番、2021年の復帰時は8番だった。
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ベレッチの一撃、アウベスの黄金期、長い模索の時代、そしてカンセロの帰還——バルサの2番は、右サイドを走り続けた男たちの番号だ。この由緒ある番号を次に誰が背負うのか。物語の続きは、まさにいま書かれている。
Visca el Barça!Vamos Blaugrana!!







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