パリ戦で終盤に逆転負けを喫し、現在CL順位16位と苦しい立場に立つバルセロナ。第3節はホームにギリシャ王者オリンピアコスを迎える。
スタメンには、ソシエダ戦以来の先発となるドロ・フェルナンデスが左WGに入り、フェルミン・ロペスもジローナ戦での復帰から連続スタメン。フェラン・トーレスはベンチスタートとなった。
また、ヤマル・ペドリ・バルデがそろってスタメン復帰し、キャプテンマークはペドリが着用。フレンキー・デ・ヨングは温存で控えに回った。
フォーメーションは引き続き4-2-3-1。
クラシコを目前に控えるバルサとしては、内容でも結果でもスッキリと勝ち切り、勢いを取り戻したい一戦だ。

若きバルサがCLで覚醒!フェルミン・ロペスのハットで6発快勝
クラシコ前に最高の弾み
チャンピオンズリーグ第3節
2025年10月21日(火)20:00 @エスタディ・オリンピック・リュイス・コンパニス
観客:47,816人
主審:ウルス・シュナイダー
| FC Barcelona | オリンピアコス |
| 6 | 1 |
| ⚽️得点者⚽️ | |
| ⚽️フェルミン・ロペス(7分) | ⚽️カアビ(53分)PK |
| ⚽️フェルミン・ロペス(38分) | |
| ⚽️ヤマル(68分)PK | |
| ⚽️ラッシュフォード(74分) | |
| ⚽️フェルミン・ロペス(76分) | |
| ⚽️ラッシュフォード(79分) | |
| 🟨警告者🟥 | |
| 🟨バルデ(23分) | 🟨ヘッツェ(35分) |
| 🟨ガルシア(39分) | |
| 🟨ポデンス(55分) | |
| 🟨🟥ヘッツェ(57分) | |
スターティングメンバー
| FCバルセロナ | オリンピアコス | ||
|---|---|---|---|
| ポジション | 選手名 | ポジション | 選手名 |
| GK | ジョアン・ガルシア | GK | ゾロキス |
| RSB | クンデ | RSB | コスチーニャ |
| CB | クバルシ | CB | レトソス |
| CB | エリックガルシア | CB | ピロラ |
| LSB | バルデ | LSB | オルテガ |
| MF | マルク・カサド | MF | ヘッツェ |
| MF | ペドリ | MF | ガルシア |
| MF | フェルミン・ロペス | MF | チキーニョ |
| WG | ヤマル | FW | マルティンス |
| WG | ドロ・フェルナンデス | FW | ポデンス |
| CF | ラッシュフォード | FW | カアビ |
| 交代選手 | |
| ドロ・フェルナンデス ↔︎ フレンキーデ・ヨング(58分) | チキーニョ ↔︎ ナスシメント(31分) |
| ヤマル ↔︎ バルドグジ(75分) | マルティンス ↔︎ ムザキティス(46分) |
| バルデ ↔︎ ジェラールマルティン(75分) | オルテガ ↔︎ オニェマチ(53分) |
| アラウホ↔︎ クンデ(75分) | ポデンス ↔︎ ヤレムチェク(78分) |
| ペドリ ↔︎ マルク・ベルナル(80分) | カアビ ↔︎ タレミ(78分) |


試合レビュー
前半まとめ:若武者フェルミン・ロペスが躍動!2ゴールで主導権を握る
立ち上がりからやや不安定な守備が顔をのぞかせた。開始わずか1分、バルデの自陣パスが弱く相手に奪われ、そのままシュートを許す。GKシュチェシュニーが右手一本で弾き、なんとかCKに逃れたものの、序盤から守備陣のフワつきが目立つ展開に。
4分にはチャンス到来。ドロ・フェルナンデスの華麗なヒールパスからバルデがエリア内へ突破し、中央のラッシュフォードへ絶妙なクロス。右足で合わせたものの、惜しくも枠の外。先制の好機を逃したが、チームには攻撃のリズムが生まれ始める。
そして7分、ついに試合が動く。左SBのバルデが中央へ運び、ペナルティエリア付近でフェルミン・ロペスにパス。そこから右サイドのヤマルへ展開し、GKとDFを交わしたものの、シュートには持ち込めず。しかしこぼれ球に反応したフェルミンが左足を一閃、ボールはゴール左隅へ吸い込まれ、バルサが先制点を奪う(1-0)。
その後はオリンピアコスの守備ブロックに苦しみ、思うように敵陣へ攻め込めない時間帯が続く。シュチェシュニーのキックミスやビルドアップでのボールロストが目立ち、ヒヤリとする場面も多い。前半のポゼッションは59%対41%、シュート数は5対4と拮抗。決して安心できる展開ではなかった。
それでも38分、ペドリがファウルを受けながらもボールを奪い切り、ドロ・フェルナンデスが左サイドから中央へ運ぶ。中央のフェルミン・ロペスが受けると、冷静にフェイントでDFをかわし、左足を振り抜き再びネットを揺らし、2-0。若きMFが圧巻の2ゴールでチームを牽引した。
思えば、2点リードは9月25日のオビエド戦以来。しかも先制からの2点差は9月22日のヘタフェ戦以来の展開。
前半は不安定な守備よりも、何より“若武者フェルミン・ロペス”の輝きが際立った45分だった。さらに左ウイングのドロ・フェルナンデスも素晴らしい動きを見せ、リーガでも継続起用を期待したくなる内容となった。
後半まとめ:フェルミンがハット達成、若きバルサがCLで圧勝!
後半はメンバー変更なしでスタート。立ち上がりから右サイドのヤマルが積極的に仕掛けるが、相手のマークが2枚付き、なかなかシュートチャンスを作れない。それでも若き10番は存在感を放ち、右サイドから絶妙なクロスを供給。絶好調のフェルミン・ロペスが頭で合わせたが、GKのビッグセーブに阻まれ、惜しくもハットトリックとはならなかった。
試合が動いたのは50分。右サイドからのクロスをカアビが頭で押し込みネットを揺らすが、直前にエリック・ガルシアのハンドがVARで確認され、PK判定に。カアビのキックはシュチェシュニーがコースを読んだものの、わずかに届かず失点(2-1)。
その後、オリンピアコスのヘッツェが2枚目のイエローで退場。数的優位となったバルサは、ドロ・フェルナンデスに代えてフレンキー・デ・ヨングを投入。トップ下にフレンキーを配置し、フェルミン・ロペスは左サイドへスライド。
65分にはラッシュフォードがフェルミンとのワンツーで抜け出し、GKと接触してPKを獲得。キッカーはヤマル。落ち着いてGKの動きを見極め、ゴール中央へ流し込んで3-1。10番の久々のゴールにスタジアムは大歓声。
74分にはラッシュフォードがエリア内で体のフェイントからノーモーションで右足を一閃。美しい一撃でネットを揺らし4-1。これで今季CL3戦連続ゴールと絶好調ぶりを示す。
続いてクンデ、バルデ、ヤマルに代えてアラウホ、ジェラール・マルティン、バルドグジを投入。今回は“CFアラウホ”ではなく本職のセンターバックで起用され、右SBにはエリック・ガルシアが回る。
そして76分、交代で入ったばかりのバルドグジが右サイドを突破。滑り込みながらもクロスを上げると、そのボールにフェルミン・ロペスが反応。左足でダイレクトに合わせてゴールし見事ハットトリック達成! スタジアムが総立ちとなる瞬間だった。バルサでのハットトリックは久々の快挙だ。
さらに79分にはペドリのロングボールをフェルミンがワントラップで進行方向とは逆へ持ち出し、そのまま右足で豪快に叩き込む。ボールの軌道もトラップも完璧で、まさに“芸術的”な一撃。解説者も思わず「うまっ」と唸るようなスーパーゴールで、スコアは6-1。
若きバルサが圧倒的な攻撃力でCLの舞台を制し、苦しい状況を吹き飛ばすような完勝劇を見せた。
試合まとめ:6発快勝でクラシコへ最高の弾みをつける!
試合はそのまま6−1で終了。バルセロナが圧巻の勝利を収め、5日後に控えるクラシコへ最高の形で弾みをつけた。前節ジローナ戦で苦しみながらも劇的に勝ち切った流れが、チーム全体の自信と勢いを取り戻す大きなきっかけとなった。
この試合の主役は間違いなくフェルミン・ロペス。自身初のハットトリックを達成し、しかもスペイン人としてバルセロナ史上初のCLハットトリック達成者という歴史的記録を打ち立てた。攻守両面で存在感を示し、まさに“若きカンテラの星”として輝きを放った。
また、ラッシュフォードはCL3試合連続ゴールで好調を維持。ヤマルも怪我からの復帰後、落ち着いたPKで待望の今季初ゴールを記録。ドロ・フェルナンデスも左WGとして十分に機能し、ラフィーニャの無理な復帰を急ぐ必要がないことを証明した。そしてヤマルは18歳100日でCL25試合出場最年少記録という記録も樹立した。
守備では依然として不安定な場面もあったが、試合を通して攻撃陣が圧倒。主力組も無理なくプレータイムを調整でき、次節クラシコに向けた準備としては理想的な内容だった。
満身創痍のチーム状況を考えれば、この大勝は単なる3ポイント以上の意味を持つ。若手が中心となって勝ち切った今節は、チーム全体の底上げと未来への希望を感じさせる一戦だった。
次節:VSベルナベウでのクラシコで首位奪還
次に待ち受けるのは、リーガで最も注目される一戦クラシコ。
首位レアル・マドリードと2位バルセロナによる、まさに“頂上決戦”だ。
相手には、今シーズン得点ランク首位を走るエムバペをはじめ、脚の速いタレント揃いの攻撃陣が控える。今日のようにスペースを自由に使える展開は望みにくく、守備面では一瞬の油断も許されないだろう。
それでも、今のバルサには十分に戦える力がある。怪我人は依然多いものの、フェルミン・ロペス、ヤマル、クバルシといった若手が台頭し、チームの総力は確実に上がっている。フェラン・トーレスのスタメン復帰も期待され、攻撃のオプションは再び厚みを増す見込みだ。
何より重要なのは、“相手を恐れない自信”。選手個々のクオリティを信じ、自分たちのサッカーを貫ければ、勝機は十分にある。
懸念点があるとすれば、フリック監督が前節退場によりベンチ入りできないこと。しかし、代わりに指揮を執るのはカンテラ出身で元バルサのチアゴ・アルカンタラ。彼がどんな采配を見せるのか、ファンの間では大きな注目を集めている。
次期監督候補の一人としても名前が挙がる彼の姿が、ついにバルサのベンチに戻ってくる。
それだけで胸が熱くなる瞬間だ。
若きチームがどこまで“白い巨人”に立ち向かえるのか。
クラシコは、今季のタイトルレースを左右する運命の一戦となる。
Visca el Barça!Vamos Blaugrana!!


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