ラ・リーガ第3節、アウェイのラージョ・バジェカーノ戦。
「バジェカスの魔境」と呼ばれる難所に挑んだバルセロナは、前半から押し込まれる時間が続く中で貴重なPKを獲得。これを確実に沈め、鬼門の地で先制に成功した。しかし後半はラージョの反撃を受けて同点に追いつかれ、さらに試合終盤まで度重なるピンチに晒される展開となった。
それでも勝ち点を失わなかったのは、守護神ジョアン・ガルシアのパラドン連発。反応と集中力でゴールを死守し、チームに勝ち点1をもたらした。結果は1-1のドロー。勝ち切れなかった悔しさは残るものの、バルサにとっては鬼門バジェカスでの勝ち点1が何よりの収穫となった。

鬼門バジェカス、守護神パラドン連発で勝ち点1死守
ラ・リーガ第3節
2025年8月31日(日)22:30 @エスタディオ・デ・バジェカス
観客:14,438人
主審:マテオ・フェレール
FC Barcelona | ラージョ・バジェカーノ |
1 | 1 |
得点者 | |
⚽️ヤマル(40分) PK | ⚽️フラン・ペレス(66分) |
警告 | |
🟨クンデ(56分) | 🟨アウグスト・バタジャ(38分) |
🟨オスカル・トレホ(38分) | |
🟨ウナイ・ロペス(45分) | |
🟨ペップ・チャバリア(90+4分) |
スターティングメンバー | |
GK ジョアンガルシア | GK アウグスト・バタジャ |
RSB クンデ | DF アンドレイ・ラティウ |
CB エリックガルシア | DF ペップ・チャバリア |
CB クリステンセン | DF ルイス・フェリペ |
LSB バルデ | DF フロリアン・ルジューヌ |
MF ペドリ | MF ペドロ・ディアス |
MF フレンキー・デ・ヨング | MF パテ・シス |
MF ダニオルモ | MF イシ・パラソン |
WG ラミン・ヤマル | MF ウナイ・ロペス |
WG ハフィーニャ | MF アルバロ・ガルシア |
CF フェラントーレス | FW ホルヘ・デフルトス |
交代選手 | |
ダニオルモ ↔︎ フェルミンロペス(61分) | ウナイ・ロペス ↔︎ フラン・ペレス(14分) |
ハフィーニャ ↔︎ ラッシュフォード(61分) | ホルヘ・デフルトス ↔︎ セルヒオ・カメージョ |
フェラントーレス ↔︎ レヴァンドフスキー | ルイス・フェリペ ↔︎ オスカル・バレンティン |
LSB バルデ ↔︎ ジェラールマルティン | イシ・パラソン ↔︎ ジェラール・グンバウ |
アルバロ・ガルシア ↔︎ アルフォンソ・エスピーノ |


試合レビュー
今節はアウェーながら、バルセロナは今シーズン初めてファーストユニフォームで臨んだ。スタメンはGKジョアン・ガルシア、最終ラインにクンデ、エリック・ガルシア、クリステンセン、バルデ。中盤はペドリとデ・ヨングのダブルボランチ、前線にヤマル、ダニ・オルモ、ハフィーニャ、そして1トップにフェラン・トーレスという布陣。今季初先発となったクンデ、クリステンセン、ダニ・オルモに注目が集まった。
一方、ピッチ状態は芝がはげてデコボコ、さらにVARが通信不良で機能していないという不安定な環境下での試合となった。
前半まとめ:守護神のセーブとヤマルのPKでリードを死守
試合序盤はラージョが前線から積極的なプレスを仕掛け、ホームの声援を背に主導権を握る展開となった。右SBで先発したクンデはやや動きが重く、スプリント勝負で何度も狙われるなど不安定さを見せる場面もあった。12分には左サイドからのクロスで中央をフリーにされ決定機を許したが、GKジョアン・ガルシアが鋭い反応で1対1を阻止。チームを救うビッグセーブで相手の流れを断ち切った。
バルサも徐々に落ち着きを取り戻し、ボール保持の時間を増やすが、ロングボール一発で裏を取られる場面が多く、最終ラインは対応に追われ続けた。攻撃ではヤマルがペナルティエリア付近でボールを持つたびに複数人に囲まれ、まるで“ヤマルゾーン”のような状況に。それでも37分、そのヤマルがエリア内で倒されPKを獲得。自身でキッカーを務め、冷静に中央へ決めてバルサが先制に成功した。なお、この得点はバルサにとって今季初のPKゴールとなった。
前半終盤には追加点のチャンスが訪れる。45分、フェラン・トーレスの落としからダニ・オルモが右足を振り抜いたがシュートは枠外へ。さらにアディショナルタイムにも決定機を外してしまい、前半だけで2度のチャンスを生かせなかった。1-0でリードして折り返したものの、「ここで決めきれなければ後半は危うい」と匂わせる展開となった。
後半まとめ:追いつかれるも守護神のパラドン連発で勝ち点1死守
後半はメンバー交代なしでスタートしたが、立ち上がりからラージョの猛攻を受ける。46分、右サイドからの崩しでゴール前まで持ち込まれるも、守護神ジョアン・ガルシアが右手一本でビッグセーブ。前半に続き、この日も冴え渡る反応でチームを救った。
60分にはジョアン・ガルシアの判断ミスからヒヤリとする場面もあったが、失点には至らず。直後の61分には、バルセロナが最初の交代を敢行。ハフィーニャとダニ・オルモに代えてラッシュフォードとフェルミン・ロペスを投入した。しかし、この交代は流れを変えるまでには至らなかった。
試合が動いたのは66分。右CKからフラン・ペレスにダイレクトで押し込まれ、ラージョに同点ゴールを許す。完璧にマークを外された形で、悔しい失点となった。スタジアムのボルテージは一気に上がり、バルサにとって厳しい時間帯が続く。
それでも守護神が最後まで踏ん張った。72分には再び右サイドから崩され1対1の場面を作られるもセーブ、さらに85分にも決定機を阻止。結局、ラージョの枠内シュート6本のうち4本をジョアン・ガルシアが防ぎ、そのうち4本が決定機という驚異的な活躍で、勝ち点1を死守した。
試合まとめ:勝ち点1取れたことに目を向けてどこを修正するか
ラ・リーガ第3節、鬼門バジェカスでのラージョ戦は、やはり厳しい展開となった。前半はヤマルが獲得したPKを自ら決めて先制するも、全体的にはラージョの勢いに押される時間が長く、追加点のチャンスを逃したことが後半への不安を残した。
その不安は現実のものとなり、後半はCKからフラン・ペレスに決められ同点に追いつかれる。さらにラージョの圧力に晒され、何度も決定機を許す苦しい状況に。しかし、この試合の主役となったのは守護神ジョアン・ガルシア。相手の決定機を次々と止め、枠内シュート6本のうち4本をセーブする圧巻のパフォーマンスで、勝ち点1を持ち帰る大きな原動力となった。
結果は1-1のドロー。鬼門バジェカスで勝ち点3を逃した悔しさはあるが、内容を考えれば「勝ち点1を守り切った」と前向きに捉えられる試合となった。シーズンを通じて重要なのは、こうした難所での取りこぼしを最小限にすること。次節へ向けて、攻撃陣の決定力改善と守備の修正が求められるだろう。
次節:バレンシア戦と開催スタジアムの行方
開催スタジアムの行方
・エスタディ・オリンピック・リュイス・コンパニス
昨季のホームだが、9月12日にポスト・マローンのコンサートが予定されており、直後の運用は困難と見られてる。
・カンプノウ(無観客または部分開放)
工事の完了証明が遅れており、安全基準の問題から無観客開催の可能性も検討中。
ただし、行政が許可を出せば収容人数を約27,000人に制限した形での部分開放も有力視されている。
・エスタディ・ヨハン・クライフ
収容人数6,000人と規模が小さく、ラ・リーガ基準を満たすには改修が必要で現実的ではない。
現時点で公式発表はなく、最有力は依然としてリュイス・コンパニス。しかしイベント日程や工事の進捗次第で、カンプノウ部分開放の可能性も残されており、クラブにとっては難しい判断が迫られている。
バレンシアの現状と直近の成績
今季のバレンシアは、開幕から3試合を終えて 1勝1分1敗(得点4・失点2)。攻守のバランスを取りながら、まずまずのスタートを切った。
・得点力:3試合で4得点(平均1.33点)。フォワード陣は90分当たり0.5得点強を記録、攻撃の軸として安定。
・守備力:失点はわずか2。クリーンシートも1試合あり、安定感のあるディフェンスラインとGKが機能している。
・戦術:基本布陣は4-4-2または4-2-3-1。守備時はブロックを固め、攻撃時にはサイドを起点にした素早い展開で崩しにかかる。セットプレーやカウンターからの得点機会も多い。
・監督:ルベン・バラハが続投し、若手とベテランをバランス良く起用しながら戦力を整えている。
このように、バレンシアは派手さはないが守備を軸に安定感を持ち、相手にとっては崩しにくいチームとなっている。
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