2025年8月24日、ラ・リーガ第2節、バルセロナはアウェイでレバンテと対戦しました。注目を集めたのは、プレミアリーグへの移籍が噂されるマルク・カサド。フレンキー・デ・ヨングが第一子の誕生に伴いチームを離脱したことで、カサドに再び大きなチャンスが巡ってきました。もっとも“チャンス”とはいえ、昨季も序盤からスタメンに定着していた実力者であり、チームにすでに完全にフィットしている存在です。この試合でも彼のパフォーマンスが勝敗を左右する鍵になると、多くのサポーターの視線が集まりました。

鬼門は変わらないが、勝ち点3はGET
ラ・リーガ第2節
2025年8月23日(土)21:30 @エスタディオ・シウダ・デ・バレンシア
観客:23,415人
主審:ホセ・エルナンデス
FC Barcelona | Levante |
得点者 | |
⚽️ロメロ(15分) | |
⚽️PKホセルイスモラレス(45+3分) | |
⚽️ペドリ(49分) | |
⚽️フェラントーレス(51分) | |
オウンゴール(90+1分) | |
警告 | |
🟨バルデ(44分) | |
🟨パブロ・マルティネス(45+1分) | |
🟨ホセルイス・モラレス(46分) | |
🟨ディエゴ・パンピン(88分) |
スターティングメンバー | |
GK ジョアンガルシア | GK パブロ・クナト |
RSB エリックガルシア | DF ジェレミー・トルヤン |
CB アラウホ | DF アドリヤン・デラフェンテ |
CB クバルシ | DF ウナイ・エルヘサナバル |
LSB バルデ | DF ホルヘ・カベロ |
MF ペドリ | DF マヌ・サンチェス |
MF マルク・カサド | MF ブルゲ |
MF ハフィーニャ | MF パブロ・マルティネス |
WG ラミン・ヤマル | MF オリオール・レイ |
WG ラッシュフォード | MF ホセルイス・モラレス |
CF フェラントーレス | FW イバン・ロメロ |
交代選手 | |
マルク・カサド ↔︎ ガビ(46分) | ホセルイス・モラレス ↔︎ カルロス・アルバレス |
ラッシュフォード ↔︎ ダニ・オルモ(46分) | ブルゲ ↔︎ カルロス・エスピ |
アラウホ ↔︎ クリステンセン(75分) | マヌ・サンチェス ↔︎ ディエゴ・サンピン |
バルデ ↔︎ レヴァンドフスキ(75分) | イバン・ロメロ ↔︎ イケル・ロサーダ |
エリックガルシア ↔︎ クンデ(84分) | ジェ レミー・トルヤン ↔︎ ビクトル・ガルシア |


試合レビュー
前半まとめ:ポゼッション77%も実らず、痛恨の2失点で折り返し
序盤からレバンテはシンプルに1本のパスで裏を狙ってくる展開。バルセロナは高いラインを保ち、オフサイドで対応していたものの、リスクの高い状況が続いた。
攻撃面では右サイドのヤマル、左サイドのラッシュフォードを中心に展開。前節に比べるとやや左サイドを使う場面が目立った。しかし、決定的な場面で決め切れず、逆にレバンテの戦術がうまくハマる苦しい前半となった。
ポゼッションはバルサが77%を記録し、シュート数も上回ったが、崩し切る場面は少なく、決定力不足が浮き彫りとなった。やはり、フェラントーレスやハフィーニャが決め切っていれば流れを変えられた可能性があっただけに、ファンとしては悔しさの残る内容となった。鬼門ともいえるこのスタジアムの相性の悪さを感じさせる前半だった。
15分:レバンテが先制
ハーフライン付近から左サイドの裏へパスを通し、アーリークロスで右サイドへ展開。そこからワンタッチで中央へ折り返すと、クバルシをフェイントで剥がし、ジョアン・ガルシアとの1対1を制してレバンテが先制。
高い位置で奪われるリスクが現実となった失点だった。
45+3分:VARの末にPK献上
前半アディショナルタイム、フリーキックの流れからレバンテのカウンターが炸裂。バルデが1人で1対3をなんとか対応したが、最後のシュートが自身の左手に当たりVARの結果PK判定に。
モラレスが冷静に左隅へ決め、レバンテがリードを広げた。そのまま前半終了。
その他の決定的シーン
36分には決定的な場面が訪れた。ペドリの絶妙なスルーパスに抜け出したフェラントーレスがGKと1対1となったが、右足から放ったシュートは惜しくもポスト角に弾かれ、同点のチャンスを逃してしまう。スタジアムはもちろん、画面越しのファンからも思わず声が上がったはずだ。
続く41分、レバンテは右サイドからのセットプレーで裏を突き、再び危険な場面を作り出す。ゴールこそ許さなかったものの、守備陣にとっては気の抜けない瞬間となった。
そして44分には、左サイドのバルデが鋭いアーリークロスを供給。中央に飛び込んだハフィーニャが頭で合わせたが、シュートは枠を外れてしまう。決まっていれば試合展開を一気に変える場面だっただけに、非常に惜しいシーンとなった。
後半まとめ:鬼門で見せた勝負強さ、バルサが後半に試合をひっくり返す
後半開始からバルサは交代カードを切り、カサドに代えてガビ、ラッシュフォードに代えてダニ・オルモを投入。中盤の強度と攻撃のアクセントを加えた。しかし立ち上がりから再びレバンテのカウンターに苦しみ、開始わずか3分で2度も決定機を許す。どちらもGKジョアン・ガルシアの好セーブに阻まれ、失点は免れたものの不安定な立ち上がりとなった。
49分:ペドリの豪快ミドルで逆転の狼煙
後半4分、バルセロナの反撃はペドリの一撃から始まった。レバンテのペナルティエリア外でボールを受けると、右足を鋭く振り抜く。シュートは外へ逃げるような回転がかかり、GKも反応したが届かず、ゴール左隅へ突き刺さった。まさに完璧なミドルシュートで、バルサが1点を返した。
しかし、ここから流れは一気にバルサへ傾く。
51分:フェラン・トーレスのボレーで同点
右サイドからのCKをハフィーニャが供給。中央で待ち構えていたフェラン・トーレスが豪快にボレーで合わせる。GKが右手で触れたものの勢いを止められず、そのままネットを揺らした。前半の苦しい展開を払拭する同点弾となり、チームを勢いづけた。
75分にはクーリングブレイクを挟んで再び交代。クリステンセンとレヴァンドフスキーを投入し、前線はフェランとレヴィの2トップに。守備はクバルシ、クリステンセン、エリック・ガルシアの3バックへと変化し、攻撃的な布陣で勝負に出た。
90+1分:オウンゴールでついに逆転
右サイドからヤマルがクロスを供給すると、相手選手に当たってコースが変わり、そのままゴールへ吸い込まれた。劇的な形でバルサが勝ち越しに成功。スタジアムは歓喜に包まれた。
その後はハフィーニャが左SBに下がり守備に尽力し、ガビが中盤で球際の強さと運動量を発揮。試合を締める役割を果たした。ファイターらしい献身的なプレーは、逆転勝利を手繰り寄せる大きな要因となった。
前半は苦しい内容だったが、後半の粘り強さでなんとか逆転勝利。昨季から続く「0-2からの逆転劇」は再び現実となり、バルサの勝負強さを改めて印象づける一戦となった。
試合まとめ:前半の苦戦を乗り越え、交代策が光った劇的逆転勝利
前半は悪くない内容だったものの、全体的にはレバンテの方が戦術的に噛み合っており、試合を優位に進められた印象だった。ところが後半に入って選手交代が奏功し、バルサは一気にペースを取り戻す。振り出しに戻した後は、ついに勝ち越しに成功し、そのまま試合を締めてくれた。
2シーズンぶりのアウェーでのレバンテ戦。やはり“呪われたスタジアム”の空気は健在で、序盤は苦しめられたが、それを跳ね返す形での逆転勝利は大きな意味を持つ。
一方で気になるのは途中出場したレヴァンドフスキー。存在感を示せず、チームとの噛み合いも不足していた印象だ。もし単にコンディションが整っていないだけなら問題はないが、今後の調子を注視していきたいところだ。
次節:バジェカスの魔境 ― バルサを苦しめるラージョのホーム
ラ・リーガ第3節、バルセロナはアウェイでラージョ・バジェカーノと対戦する。表向きには格下に映る相手だが、実際のデータを見るとその印象は大きく覆される。
過去3年間でのリーグ戦、バルサがラージョのホーム「バジェカス」で戦った3試合の成績は 0勝1分2敗。得られた勝ち点はわずか「1」にとどまっている。名門クラブにとっては信じがたい数字だが、それこそが“バジェカスの魔境”と呼ばれる所以だ。
このスタジアムの特徴は、観客とピッチの距離が極端に近く、独特の圧力が選手にのしかかること。さらにラージョは堅実な守備と素早い切り替えを徹底し、ビッグクラブ相手にもひるむことなく戦いを挑んでくる。その姿勢に後押しされる観客の熱気は、バルサにとって何度も“鬼門”となってきた。
今回の第3節は、そうした過去の苦戦を乗り越える大きなチャンス。フリック監督の戦術が浸透しつつあるチームが、この魔境をどう攻略するのか――。連勝を伸ばすのか、再び呪縛に苦しむのか、注目が集まる一戦だ。
Visca el Barça!Vamos Blaugrana!!
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