【試合レビュー】チャンピオンズリーグ第4節| vs クラブ・ブルージュ:

バルセロナは週末のエルチェ戦と全く同じスタメンで試合に臨むことになりました。レヴァンドフスキが先発に戻る可能性が高いと思われていただけに、これは少し意外。エルチェ戦から中2日という日程を考えると、数名は入れ替えてくると思いましたが、フリック監督の判断は“継続”でした。

それにしても、試合前に流れるあのアンセムは何度聞いても胸が高鳴りますね。
今日の相手はベルギーの強豪クラブ・クラブブルージュ。昨シーズンはリーグ2位、さらにCLではベスト16進出と大躍進したチームです。今シーズンはCLグループ24位と通過ギリギリの位置ですが、ホーム成績は圧倒的。直近18試合で 12勝2敗4分け と、簡単に勝たせてくれる相手ではありません。

一方のバルセロナは公式戦連続得点を継続中。その中心にいるのが“14番”ラッシュフォード。87分で1得点という驚異的な決定力を誇り、今やバルサ攻撃陣の大きな車輪となっています。

今夜もバルサは勝利を積み上げられるのか——。
緊張感と期待が入り混じる一戦が幕を開けます。

出典先:https://www.fcbarcelona.jp/ja/football/first-team/news/4396761/club-brugge-3-3-fc-barcelona-manic-game-ends-all-square
目次

とにかく裏を突かれたがなんとかドロー

チャンピオンズリーグ第4節
2025年11月6日(水)21:00 @ヤン・ブレイデルスタディオン
観客:○○○○人
主審:アンソニー・テイラー

FC Barcelonaクラブ・ブルージュ
33
⚽️得点者⚽️
⚽️フェラントーレス(8分)⚽️ニコロ・トレソルディ(6分)
⚽️ヤマル(61分)⚽️カルロス・ボルジェス (17分)
⚽️オウンゴール(75分) ⚽️カルロス・ボルジェス (68分)
🟨警告者🟥
🟨クンデ(47分)🟨ラファエル・オニェディカ(32分)
🟨ヤマル(81分)🟨ママドゥ・ディアコン(81分)
🟨フェルミンロペス(85分)

スターティングメンバー

FCバルセロナ ニューカッスル
ポジション 選手名 ポジション 選手名
GK シュチェシュニー GK ノルディン・ジャッカー
RSB クンデ RSB カイリアニ・サブ
CB アラウホ(C) CB ジョエル・オルドニェス
CB エリックガルシア CB ブランドン・メシェル
LSB バルデ LSB ジョアカン・セイ
MF マルク・カサド MF アセクサンダル・スタンコビッチ
MF デ・ヨング MF ラファエル・オニェディカ
MF フェルミン・ロペス MF ハンス・ファナケン(C)
WG ヤマル FW カルロス・ボルジェス
WG ラッシュフォード FW クリストス・ツォリス
CF フェラントーレス FW ニコロ・トレソルディ
                        交代選手
マルク・カサド ↔︎ レヴァンドフスキ(58分)カルロス・ボルジェス ↔︎ ママドゥ・ディアコン(78分)
フェラントーレス ↔︎ ダニオルモ(58分)ニコロ・トレソルディ ↔︎ ロメオ・フェルマント(78分)
ラッシュフォード ↔︎ バルドグジ(83分)ラファエル・オニェディカ ↔︎ リント・アウドール(85分)
エリックガルシア ↔︎ クバルシ(90+3分)リント・アウドール ↔︎ ウーゴ・べトレセン(88分)
バルデ ↔︎ ジェラールマルティン(90+3分) ↔︎ (分)

試合レビュー

前半まとめ:カウンターの脅威にさらされた前半

試合の立ち上がり、最初にシュートを放ったのはホームのクラブ・ブルージュ。左サイドから鋭く切り込み、スタジアムの大歓声を背に強烈な一撃を放ったが、これはGKシュチェシュニーが落ち着いてキャッチ。
一方バルセロナは、序盤からなかなか前進できず、嫌な雰囲気のまま試合が進む。

そして開始6分、バルサの弱点となりつつある“ハイラインの背後”を突かれてしまう。
右サイドを一気に突破されると、中央へ鋭い折り返し。トレソルディがスライディングで押し込み失点。0-1。
クラブ・ブルージュが理想的すぎる形で試合を動かした。

しかし、そのわずか2分後。バルサはすぐにやり返す。
右サイドを抜け出したフェルミン・ロペスが冷静に中央へ折り返すと、フェラン・トーレスが右足で確実に流し込み 1-1。
敵地の重い空気を一瞬で断ち切る大きな同点弾!
ただゴール直後、エリック・ガルシアが真っ先にフリック監督のもとへ走り指示を確認する姿が印象的だった。マスチェラーノを思い出すようなあの光景、久しぶりに見たなぁ。

ここからはバルサが完全にペースを握る。
相手を自陣へ押し込み、フェルミンの縦と斜めへのランニングも相まって良いリズムで攻撃を展開。
しかし——流れの中で痛恨の失点が訪れる。

開始16分。
左CKが跳ね返された瞬間、クラブ・ブルージュはワンツーから超高速カウンターを発動。
あっという間に自陣深くまで持ち込まれ、そのまま失点。1-2。
“電光石火”とはまさにこのこと。バルサとしてはどうしようもない形だったとはいえ、もったいない…。

そして気になるのがヤマル。
CKは最初のDFに当たる場面が続き、クロスの精度も昨季から比べると大きく低下。
パリ戦、クラシコ、そして今日も…どうしてもパフォーマンスが上がらない。
ケガの影響か、研究され尽くされているのか。心配が尽きない。

前半44分にはヤマルの絶妙なスルーパスに反応したフェランが抜け出し、体を入れながらシュート。
しかしこれは惜しくも枠を捉えられず。
前半のうちに追いついて折り返したかっただけに、本当に悔しいシーンだった。

前半は1-2で終了。
悪い内容ではないが、2度のショートカウンターで失点するという、今季の弱点がそのまま出た45分となった。

後半まとめ:3度追いつくも勝ち越せず

後半は両チームとも交代なしでスタート。しかし試合の流れは前半同様に落ち着かないまま動き出す。
10分過ぎにはレヴァンドフスキとダニ・オルモが交代準備を開始。最初の交代はマルク・カサドとフェラン・トーレス。フレンキーが単独で中盤の底に入り、その前にフェルミンとダニ・オルモを並べる形となった。

すると58分、エリック・ガルシアが約25mの距離から思い切りのあるミドルを放つなど、バルサが徐々にリズムを取り戻し始める。そして迎えた後半16分。
ついに“10番”がその存在感を見せつけた。密集地帯を細かいタッチで割って入ると、フェルミンとのワンツーで抜け出しGKと1対1へ。そのまま右足で流し込み値千金の同点弾、スコアは2-2。イニエスタやメッシを思わせる細かいドリブルはまさに圧巻だった。試合を通して徹底マークを受けながらも、この一撃で流れを引き戻した。

しかし歓喜も束の間、後半18分にまたしても“あの男”ボルジェスにやられてしまう。ハーフウェイライン付近の右サイドから斜めの抜け出しで最終ラインを破り、GKと1対1を冷静に決められ2-3。今日の試合は本当に彼の思い通りにやられている印象が強い。

さらに後半25分、ボルジェスの脅威は続く。エリア内でバルデが足を引っ掛けPK判定。しかしVARにより取り消され、バルサは辛くも命拾い。それでも右サイドでボルジェスがボールを持つだけで心臓に悪い、そんな試合展開だった。

流れを引き寄せたのは後半30分。引いて守る相手に対し、右サイドのヤマルがクロスを送ると相手DFがクリアミス。そのままゴールに吸い込まれ3-3。実質ヤマルのゴールとも言えそうなプレーだったが公式記録はオウンゴール。それでも3度目の同点に追いついたことが何より大きい。ここでクラブ・ブルージュは前線の2枚を交代し、厄介なボルジェスも下がり一息つける展開に。

後半38分にはラッシュフォードに代わりバルドグジを投入。普段は右WGの彼だが、この日は左WGとして起用。
そして後半45分、劇的勝ち越しと思われたシーンが生まれる。シュチェシュニーがフェルマンが鋭いスライディングで詰め寄られ、こぼれ球を押し込んでゴール。しかしVAR判定はノーゴール。助けられた気持ちもあれば、今日だけでVARに2度救われた複雑な心境でもある。

試合終盤にはバルデとエリック・ガルシアに代わってジェラール・マルティンとクバルシを同ポジションで投入。しかしスコアは動かず、そのまま試合終了の笛を迎えることとなった。

試合まとめ:新しいことを試す時期なのかも

正直、今日の試合は“絶対に勝ち点3が欲しかった”という思いが強い。内容としては、バルセロナにとって実質「敗戦に近いドロー」だったと言っていい。
ヤマルは突破の局面こそ作るものの、成功率は決して高くなく、ラッシュフォードとの連携もいまひとつ。途中出場のレヴァンドフスキに至っては、ほとんどボールに触れられず空気のような存在になってしまった。

こうした状況を踏まえると、フェラン・トーレスがファーストチョイスになっている現状は当然と言える。
フォーメーション面でも改善の余地は大きい。後半途中に見せたような 4-1-2-3 で中盤に厚みを持たせる形や、中盤ダイヤモンド型の 4-4-2(ヤマルをトップ下に配置) も試す価値がある。
今のバルサには生粋のCFが不在なのだから、メッシ在籍時に採用していた 偽9番システム を再び取り入れるのも一つの手だ。

気になるのは守備面。
これで 9試合連続失点。クラブワースト記録は12試合であり、これ以上の不名誉な更新は絶対に避けたい。
とはいえ、今季のバルサはハイプレスの裏を突かれて失点する一方で、「負けの数は少ない」という事実もある。今日も3-3というスコアは、観客的には盛り上がったかもしれない。
しかし、ファンとしては “3-3より、5-0で圧倒するバルサ” を期待しているはずだ。

今後、

  • このまま攻撃的スタイルを極めるのか
  • あるいはハイプレスを抑えて新しい守備モデルを作るのか

その選択はフリック監督に委ねられている。
いずれにせよ、今日の試合は「課題も希望も混在したドロー」と言えるだろう。

Visca el Barça!Vamos Blaugrana!!

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