「過去の未払い給与、ついに完了!」

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はじめに 〜バルセロナが背負っていた“借金”とは?

かつての“世界最強クラブ”であるFCバルセロナが、
選手への給与すら満額で支払えないという深刻な状態にあったことを、
信じたくないファンも多かったはず。

だが現実には──
最大で約1億6000万ユーロ(約270億円)もの未払い給与が積み重なり、
メッシ退団の引き金にさえなった“サラリー問題”は、クラブの最大の課題だった。

パンデミックによる収入減、観客収容の制限、スタジアム改修資金、
さらには歴代会長たちの“積み残し”も影響し、
2020年以降、バルサは慢性的なキャッシュ不足に苦しむことになりました。

特にクラブの象徴とも言えるメッシ、ピケ、ブスケツ、ジョルディ・アルバといったベテラン選手たちは、
クラブ愛ゆえに減給や給与の先送りに応じていたが、それが“借金”として積み上がっていたというのが実情だった。

そして2025年、ついにその“過去”が精算された──
これは、クラブ再建の確かな一歩であり、未来への扉でもある。

誰に、どれだけ未払いだったのか?

“未払い給与”と聞くと少し曖昧な響きかもしれない。
でもバルセロナの場合、それは決して軽い話ではなかった。

これはまぎれもなく、クラブの“屋台骨”を支えてきた選手たちに対する、信頼の問題でもあったのだ。

スペインメディアの報道によれば、
**最大でおよそ1億6000万ユーロ(約270億円)**もの未払いが、数シーズンにわたって存在していたとされる。

クラブは、特に2020年からの財政危機とパンデミックの影響を受け、
多くの選手やスタッフに対して、給与の支払いを“繰り延べる”ことでクラブの運営を維持してきた。

その後もスポンサー契約や放出による収入を原資に、少しずつ支払いを進めていたが、
ついに2025年6月、繰り延べ給与の“最終分”が完済されたと報じられている。

公表された情報によると、主な選手への繰り延べ給与の金額は以下の通り(一部はすでに支払い済み):

・リオネル・メッシ: 4760万ユーロ(約74億円)が最も高額でした。このうち、最後の約596万ユーロが最近支払われ たと報じられています。
サミュエル・ウムティティ: 990万ユーロ(約15億円)
・セルヒオ・ブスケツ: 820万ユーロ(約12億7000万円)
・アントワーヌ・グリーズマン: 800万ユーロ(約12億4000万円)
・ジョルディ・アルバ: 760万ユーロ(約11億8000万円)
・フィリペ・コウチーニョ: 660万ユーロ(約10億2000万円)
フレンキー・デ・ヨング:契約条件の調整により複数年に渡る未払い(正確な額は非公表)

その他にも、ウスマン・デンベレ、ミラレム・ピャニッチ(それぞれ510万ユーロ)、セルヒ・ロベルト(480万ユーロ)、ネト・ムララ(250万ユーロ)、セルジーニョ・デスト(130万ユーロ)、マルティン・ブライスウェイト(120万ユーロ)、ジュニオール・フィルポ(110万ユーロ)といった選手たちにも、100万ユーロを超える繰り延べ給与があったとされています。

この動画では、ラポルタ体制の取り組みや、繰り延べ給与の背景、影響を受けた主な選手たちの名前、そして今後のFFP(ファイナンシャル・フェアプレー)規制に与えるポジティブな影響まで、丁寧に解説されています。
特に注目は、「1対1ルール」への復帰の可能性
これは、今後の補強戦略において大きな転機となり得ます。
さらに、Spotifyカンプノウの再開が新たな収益源となる点にも触れており、クラブの“本当の再建”が始まったことを実感できる内容です。

なぜ“今”完済できたのか?財政再建のカギ

FCバルセロナが長年抱えていた未払い給与をついに完済できた理由
それは、単なる偶然ではなく複数の戦略的な財政再建策が実を結んだ結果だった。

ラポルタ政権による財務の見直し

2021年にクラブへ復帰したジョアン・ラポルタ会長は、就任当初からクラブの財政立て直しを最優先課題に掲げていた。不要な契約の解除、給与総額の圧縮、選手売却によるキャッシュ確保など、時に非情ともいえる決断を積み重ねてきた

中でも象徴的だったのが、リオネル・メッシとの別れ
クラブの顔として長年貢献してきたレジェンドを、本人の意思とは裏腹に**「表から送り出す」ことすらできず**、
涙の退団会見となったあの場面は、クラブの財政破綻がどれほど深刻だったかを物語る瞬間でもあった。

まさにこの決断は、世間から見てラポルタ体制の印象を決定づけるものだった──
「伝説の選手を追い出した会長」として批判を浴びながらも、
彼が目指していたのは“未来のバルサを守ること”だったのかもしれない。

資産売却とレバース(経済レバー)〜短期キャッシュ確保の切り札〜

ラポルタ政権が大胆に打ち出したのが、いわゆる**「経済レバー」戦略**。
これは、クラブの将来収益の一部を手放す代わりに、今すぐ必要な資金を確保する手法だった。

主なレバーは以下の通り:

第1レバー(2022年6月)
 テレビ放映権10%を米投資会社「Sixth Street」に売却。取引額はおよそ2億6700万ユーロ(約390億円)。
第2レバー(同年7月)
 さらに放映権の追加15%を同社に売却。これにより、追加で**約3億ユーロ(約450億円)を獲得。
第3レバー(同年7月末)
 子会社Barça Studiosの株式24.5%を売却(買い手はSocios.com)。**約1億ユーロ(約150億円)を調達。
第4レバー(同年8月)
 Barça Studiosの残り24.5%も売却(買い手はOrpheus Media)。こちらも1億ユーロ前後の取引。

合計でおよそ7億5000万ユーロ(約1125億円)もの資金を短期間で調達し、
これが給与繰り延べの返済や補強資金、負債の圧縮に大きく貢献した。

固定費の削減と新戦力の“低コスト化”

バルセロナが目指したのは、クラブの命運を握る“固定費”=選手給与のスリム化だった。
一時は全収入の80%以上が選手人件費に消えていたと言われる状況から、
いかに“払える範囲”に落とし込めるかが、FFP遵守のカギだった。

主力選手との減俸・契約再交渉

クラブはラポルタ会長のもと、ブスケツ、ピケ、ジョルディ・アルバらベテランとの契約を見直し。
中には年俸の一部を延期払いにしたり、大幅にカットする形で合意するケースも。

また、過剰戦力となっていた高年俸選手(グリーズマン、コウチーニョ、ユムティティなど)を段階的に放出し、年間の人件費を圧縮した。

フリー移籍・ローン復帰による補強戦略

新戦力の獲得においても、移籍金をかけずに戦力を確保する方針が明確に。たとえば──

イルカイ・ギュンドアン(マンC):フリーで獲得
イニゴ・マルティネス(ビルバオ):フリーで獲得
ジョアン・カンセロ(シティ)、ジョアン・フェリックス(アトレティコ):1年レンタルで獲得
エリック・ガルシアやアブデらのローン復帰も視野に戦力をやり繰り

このように、移籍金を抑えつつ即戦力を揃える“ローコスト補強”と、
カンテラ出身の若手(ヤマル、クバルシ、フリミンなど)を積極登用する戦略が、
経営的にも戦力的にもバランスを取るポイントになっている。

スポンサー&商業収入の拡大

FCバルセロナは長らく、「サッカー以上の価値を持つブランド」として世界的な認知を誇ってきた。
しかしパンデミックと財政危機の影響で、商業収入は2019年をピークに急落
そこからの“回復戦略”として、ラポルタ政権が最も力を入れたのがスポンサー契約の見直しと拡大だった。

Spotifyとの大型契約

中でも象徴的だったのが、音楽ストリーミング最大手「Spotify」との契約(2022年)
この契約により:

・ホームスタジアムの名称が「Spotify Camp Nou」に変更
・ユニフォーム胸スポンサー&背面ネーム下にもロゴを表示
・トレーニングウェアスポンサー契約も含む総合パートナー契約

と、まさにクラブ史上最大級の包括的スポンサー契約が実現した。

この契約は年間約7000万ユーロ(約110億円)以上の収入をもたらすとされ、バルサにとっては商業収入の“屋台骨”となっている。

ちなみに、Spotifyの前は日本が誇るIT企業の楽天でしたね。

グローバル企業との提携も強化

さらに、ラポルタ体制では以下のような戦略的パートナーシップも進行:

Nikeとのユニフォーム供給契約の再交渉
デジタル資産・NFT関連の新規スポンサー(Socios.comやWhiteBITなど)との提携
・アジア・中東マーケットを中心にした“リージョナルスポンサーの拡大”

これにより、バルセロナは再び“世界で最も商業価値の高いクラブ”のひとつとして復権しつつある。

未払い完了によるポジティブな影響

FCバルセロナが2020年以降抱えていた総額約1億6000万ユーロの未払い給与問題は、2025年6月をもってついに“完済”された。この動きは単なる支払い完了ではなく、クラブの信頼回復と前進の象徴とも言える。

信頼の回復:選手・代理人・他クラブとの関係性向上

未払い問題は、クラブ内部にとどまらず、代理人や他クラブとの交渉にも影を落としていた
「バルサは給与を支払えるのか?」という疑念がつきまとい、移籍市場でも不利な立場に置かれることが多かった。
しかし未払いを全額完了したことで、


・今後の契約交渉がスムーズに
・若手や主力選手との延長交渉にも好影響
・他クラブからの信頼も回復傾向

と、クラブ全体の“交渉力”と“ブランドイメージ”が再び上向いている。

FFPの好転:1対1ルールの復活が現実に

この支払い完了によって、ラ・リーガのFFP規制「1対1ルール」への復帰が現実味を帯びてきた
これは「1ユーロ支出するには1ユーロの収入が必要」という理想的な状態であり、過去数年のように“1対4”や“1対2.5”といった制限から解放されることを意味する。

・新戦力獲得の自由度が大きく上昇
若手の昇格や契約更新の柔軟性もUP

チーム編成における選択肢が一気に広がることで、フリック監督のチーム構築にも追い風となる。

スポンサー&ファンの期待感も上昇

財政の安定はスポンサー企業の安心感にも直結。Spotifyをはじめとする大口パートナーにとっても「長期的な関係性を築ける相手」という印象を強め、新規スポンサー獲得のハードルも下がってくる。

また、ファン視点でもクラブ再建の“到達点”として大きな意味を持つ瞬間
「メッシ退団から数年、ようやくここまで来た」と実感できるポイントであり、
次なる飛躍に向けた期待感と誇りを高める出来事にもなっている。

まだ残る課題と次なるステップ

未払い給与の完済という快挙を達成したとはいえ、FCバルセロナが直面している課題はまだ終わっていない。
財政再建の旅路は、いわば**“次のフェーズ”**へと移行している。

課題1:給与総額の継続的な抑制

現在でもラ・リーガの定める「給与上限」にはギリギリで対応しており、選手の年俸総額はクラブ財政に重くのしかかっている。特に、今後新契約を結ぶ若手の昇給や、主力選手の更新交渉では、バランス感覚が問われる。

課題2:Barça Studiosの売却未完了

「経済レバー」として活用されたBarça Studiosの株式は、一部が未入金状態とされており、完全な売却とは言えない。
この問題が長引けば、また別の“キャッシュ不足”を引き起こすリスクがある。

課題3:スポティファイ・カンプノウの完成と運営

新スタジアムの収益化が本格化するのは2026年以降と見られており、それまでは一時的な収入の不安定さが続く。
一方で、完成後の収益期待は非常に高く、長期的には“ゲームチェンジャー”となる可能性を秘めている。

出典先:https://bunganet.tokyo/barcelona2-2/

これからのバルサに必要なのは、
一時的な売却益や“レバー”に頼らず、持続可能な経営モデルの確立
そして何より、「クラブの哲学」に根ざした育成とチーム強化の両立こそが、真の意味での再建完了を意味する。

まとめ 〜過去を精算し、未来へ

バルセロナが背負ってきた約270億円もの未払い給与は、単なる数字ではなく、「信頼」の問題だった。
選手、スタッフ、そしてファン──その誰にとっても、この問題の解決は**クラブが再び前を向くための“節目”であり、再出発の合図となった。

経済レバーやスポンサー収入、若手起用といった改革は、決して完璧ではないが、確実にクラブを健全化へと導いてきた。
そして今、ようやく**“正常なクラブ”として勝負ができる舞台に戻ってきたとも言える。

まだ課題は多く残る。だが、だからこそ──
未来のバルサに、僕らが本気で夢を託せるタイミングが来たのかもしれない。

これから新しい黄金期を迎えてくれる事を期待した
Visca el Barça!Vamos Blaugrana!!

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